2023-02-15

コクサリゴケモドキ

 上は細い枝にいろいろな蘚苔類が混生している所の一部で、シダレヤスデゴケにコクサリゴケモドキ、シゲリケビラゴケボウズムシトリゴケ、コクサリゴケなどがくっついています。 今回はこのうちのコクサリゴケモドキ Metalejeunea cucullata について観察しました。

 上がコクサリゴケモドキです。 この混生している群落の中には、1枚目の写真のように、大きさも見た時の印象もよく似たコクサリゴケもたくさんありましたが、本種はコクサリゴケよりもほんの少し大形で、眼点細胞は無く、背片も、コクサリゴケのような明瞭な離在ではなく、ほとんど接しています。 また背片に比較しての腹片の大きさも少し小さいようです。 分布は、平凡社では紀伊半島以南となっています。

 コクサリゴケとの明瞭な違いは、本種の葉のキールに、上の写真のように1細胞層の透明な翼があることでしょう。 コクサリゴケにはこのような翼はありません。

 上は腹片の歯牙にピントを合わせていますので、少しの撮影角度の違いもあって、キールの透明な翼は不明瞭になっています。 第1歯は楕円形の単細胞で、透明細胞は歯牙のキールと反対側の縁にあります。 第2歯はふつう他の細胞と重なるなどで不明瞭なのですが、上の葉ではたまたまよく分かります。

 上は腹葉です。 腹葉の裂片は、幅がコクサリゴケより広く、三角形です。

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