2019-10-01

タカネツキヌキゴケ




 写真はタカネツキヌキゴケ Calypogeia neesiana だと思います。 植物体は白緑色で、あちこちに無性芽をつけていました。 葉は倒瓦状に重なり合っています。


 葉は舌形で円頭です。 茎の幅は、上の写真では葉を含めて3mm前後です。


 ほとんどの葉は円頭ですが、一部上の写真の左のように少し凹頭となっているものもありました。
 下は上の赤い四角で囲った部分の拡大です。


 葉の背縁(上の写真の右側)の細胞は中央部の細胞より細長くなっています。


 上は腹葉です。 腹葉はほぼ円形で、上の写真では葉頂は浅く2裂していますが、円頭にちかいものもありました。 葉縁は全縁、幅は茎径の2.5倍ほどです。 基部からは多数の仮根が出ていて、土などをくっつけています。


 上は葉身細胞です。 トリゴンは無く、楕円体でブドウ房状の油体が各細胞に0~10個見られます。 細胞表面には点状ベルカがあり、上の写真ではそれが白い点として写っています。

(2019.9.15. 北八ヶ岳)

◎ タカネツキヌキゴケはこちらやこちらにものせています。


2019-09-30

ゴレツミズゴケ


 写真はゴレツミズゴケ Sphagnum quinquefarium です。 早くも色づきはじめていました。


 枝葉はきれいに5列に並びます。 そのため、開出枝を枝先から見ると、上の写真の青い矢印のように、五角形に見えます。


 枝は混み合っていて、長い下垂枝も見られます(上の写真)。


 枝は開出枝3本と下垂枝2本がセットになっている場合が多いようです。


 上は茎葉です。 舌状三角形で、舷は下方では葉の幅の半分ほどを占め、上方ではごく狭くなっています。 中部より上の透明細胞には糸状の構造が見られます。


 上は茎葉の葉先近くの拡大です。 先端は細まり、少し腹側に巻いています。


 上は枝葉で、丸みを帯びた卵形です。


 上は枝葉の先端近くを腹面から撮ったもので、葉先は腹側に巻いています。

(2019.9.14. 北八ヶ岳)

◎ こちらには蒴をつけたゴレツミズゴケを載せています。


2019-09-29

ウロコミズゴケ


 写真はウロコミズゴケ Sphagnum squarrosum です。湿原の水の縁で育っていました。 開出枝につく葉(枝葉)は途中から反り返っていて(=反曲していて)、葉先が開出枝から突き出て枝全体が毛羽立ったように見えます。
 上の写真では、ヒメミズゴケが混じっていますので、本種が大形のミズゴケであることがよく分かります。


 同じ枝葉でも、下垂枝につく枝葉はほとんど反曲しないため、下垂枝はなめらかに見えます。


 上は開出枝につく枝葉(2枚)で、広楕円形の基部から急に細く尖り、先端は背方に反り返っています。
◎ この枝葉の断面の様子などはこちらに載せています。


 上は、剥がす時に破れてしまいましたが、茎葉です。 舷は細く葉の基部だけに見られます。 上では先端部も破れてしまっていますので、別の茎葉で、もう少し拡大した先端部を下に載せておきます。


 茎葉の先端は円頭で、ささくれています。


 上は茎の横断面の一部です。 表皮細胞は2~3層で、表皮細胞の表面に孔はありません。

(2019.9.14. 北八ヶ岳)

2019-09-28

コモチフタマタゴケ


 写真はコモチフタマタゴケ Metzgeria temperata でしょう。 樹幹で育っていました。


 葉状体の先端は細くなり、縁に無性芽をつけます。


 上は無性芽にピントを合わせた顕微鏡写真です。 無性芽は薄く、円盤状です。


 葉状体背面の中肋部は2細胞幅です(上の写真)。

(2019.9.13. 長野県茅野市 標高 1,100m)

◎ コモチフタマタゴケはこちらにも載せています。

 

2019-09-27

チャシッポゴケ


 写真はチャシッポゴケ Dicranum fuscescens だと思います。 朽木の上で育っていました。


 葉は乾くと、上の写真のように鎌状に曲がります。 配偶体の雰囲気が似ているカギカモジゴケの蒴が直立するのに対し、本種の蒴は傾いています。


 葉は狭披針形で先は細く伸びています。 葉の長さは6~8mmです。


 上は葉の基部です。 葉を剥がす時に仮根がくっついてきて見難くなっていますが、褐色の翼部があります。 中肋は葉の基部の幅の1/8ほどです。


 上は翼部の拡大で、赤い矢印は下の層の細胞壁を示しています。 つまり翼部は2細胞層の厚さがあります。


 上は葉の下部の葉身細胞です。 細胞壁の厚さは一様ではありませんが、くびれは見られません。


 上部の葉縁には小さな歯があります。 上部の葉身細胞は丸みのある方形~矩形です。


 葉の上部背面では、上端が突出している葉身細胞が見られました(上の写真)。


 葉先は細長く尖っています(上の写真)。


 上は蒴です。 蒴柄は黄色~黄褐色で、帽には長い嘴があります。 頸部は少し膨れています。


 蒴を切断し、蒴の内側から蒴歯を撮ってみました(上の写真)。 蒴歯の先は蓋の細い嘴の中にも少し入り込んでいます。

(2019.9.14. 北八ヶ岳)

◎ チャシッポゴケはこちらにも載せています。