切株の樹皮についていたカガミゴケ(
Brotherella henonii )が胞子体をつけていました。
カガミゴケは湿っても乾いても、その姿はあまり変わりません。 葉はやや扁平に付き、つやがあります。 カガミゴケの和名は、このつやを鏡に見立てたものでしょう。 同様なつやはツヤゴケ属のものにもあり、外形も似ているのですが、肉眼的にはカガミゴケの葉の先端は、上の写真のように、すべて下向きに曲がっています。
カガミゴケは横に這って広がり、羽状に平たく枝を出します。 上の写真の左には、付け根に苞葉を伴った蒴柄が写っています。 胞子体はこのように側生します。
蒴はやや曲がった円筒形をしています。
蒴歯は2重で、各16本です。
葉は卵状披針形で、やや舟状にくぼんでいます。 縁が光っているのは、周囲から照らしているからで、撮り方の問題にすぎません。
葉の先は次第に細くなって尖り、縁には歯があります。 同じナガハシゴケ科の
ナガハシゴケなどは、葉形はよく似ていますが、この歯は無いか、ほとんど目立ちません。
葉身細胞は線形です。
葉の基部の細胞は黄褐色に染まり、翼細胞は大きく膨らんで目立ちます。 中肋はありません。
(2015.8.27. 金剛山)
◎ カガミゴケの各部の長さや蒴をもう少し詳しく観察した結果などを
こちらに載せています。