上は路傍の岩上に群生していたコバノヒノキシダ(
Asplenium sarelii )です(2015.7.15. 高槻市摂津峡で撮影)。 同じ属のヒノキシダは羽片の様子を見ればたしかにヒノキに似ているとも言えるのですが、コバノヒノキシダだけを見ていると、どこがヒノキなのか分かりませんね。
中軸の溝の中央は盛り上がっています(上の写真)。
ソーラスは裂片の中間につき、細長い包膜を持っています(上の写真)。
属名の
Asplenium は、ギリシャ語の a(語呂を良くするための接頭語)+splen(脾臓) から成り、この仲間の一種が脾臓を癒すと考えられたことに由来するようです。 ちなみに種小名
sarelii は、採集家の人名に由来します。
形態的にコバノヒノキシダに似たシダは何種類かあるのですが、
Asplenium属全体を見渡すと、熱帯に分布しているものを中心に多くの種があり、形態的にも多様です。 園芸的にアスプレニウムという名で観葉植物として販売されているものは、
シマオオタニワタリの園芸品種'アビス'であることが多いようです。 これなどはコバノヒノキシダと全く異なる外見ですが、ソーラスの様子を見れば、たしかに共通点があります。
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