2015-08-28

ソウシチョウの大きな群

 大阪府と奈良県の境に位置する金剛山の、山頂から北に伸びる尾根の東斜面、つまり奈良県側で、ソウシチョウのとっても大きな群に出会いました。 多くは藪に潜っているので個体数は分かりませんが、個体の密度は高く、10分ほど歩いても周囲から声がやかましく聞こえる群でした。 春に巣立った若鳥も混じり、今が一番大きな群の時期なのかもしれませんが・・・。
 以前からいることは知っていましたが、しばらくの間にこんなに大きな群になっているとは驚きです。



 写真は 2015.8.23.に、トンボを撮りたくて持参した望遠レンズで撮ったものです。 下2枚の個体は上2枚の個体より胸部が濃色で、よく鳴いていました。 上がメスで下がオスでしょうか。



 鳥は縄張りを作るためやオスがメスを呼ぶためには鳴く必要があるのでしょうが、それ以外の時期には、鳴くことは自分の存在を知らせて敵を呼び寄せることになり、そんなには鳴かないものだと思っていました。 今の時期にソウシチョウがこんなにもよく鳴くのはなぜなのか、不思議です。 見通しの悪い藪の中で集団を維持するためでしょうか。 それとも年に何度も繁殖するのでしょうか。

 ソウシチョウは、外来生物法で特定外来生物に指定されていて、「日本の侵略的外来種ワースト100」になっています。 江戸時代から飼い鳥として入ってきていたようですが、雑食性で扱いやすく、美しい鳥であることもあり、1980年以降に本格的に輸入されてきたものが、販路やエサ代に困ったのか、放鳥した悪質なペット販売業者もあったようで、あちこちで野生化し、増えています。
 個体数を増やしている外来生物の多くは、複雑な生態系を持つ安定した自然環境には少ないのですが、ソウシチョウは安定した林でよく観察されています。 今回の撮影場所は植林ですが、よく手入れされていて、低木層以下がとてもよく発達している林ですし、前に載せたソウシチョウ(こちら)は箕面の山中で撮ったものです。
 ソウシチョウが増えることで、林の生態系が変化することが懸念されています。 特に茂みの低い所に巣を作るオオルリやウグイスなどは、営巣場所が競合するため、ソウシチョウに駆逐されてしまうのではないかと心配されています。

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