崖から垂れ下がる写真のコケ、調べてみるとエゾチョウチンゴケ Trachycystis flagellaris でした。 本種はこれまで何度も見たことがありますが、無性芽で簡単に同定できるので、葉の詳細な様子などは、あまり印象に残っていません。 それにこのような垂れ下がっている姿を見るのは初めてで、植物が周囲の状況によって姿を変えるのはあたりまえのことですが、最初に現地で見た時は見当がつきませんでした。
乾くと上のように縮れます。
葉は卵状披針形で、長さは3mmほどです(上の写真)。
葉の先端に近い中肋背面には刺があります(上の写真)。
葉縁には2細胞列の舷があり、対になった歯があります(上の写真)。
葉身細胞は長さ10~16μmで、厚壁です。 上のように細胞の輪郭がはっきり分かるようにピントを合わせると見えませんが・・・
ピントを少しずらすと細胞の中央に背の高い1個のパピラがあるのが分かります。
上は葉の横断面です。 背の高いパピラは背面にも腹面にもあります。
上は中肋の横断面です。 ステライドはほとんど分かりません。
(2021.7.9. 秋田県 乳頭温泉郷)
◎ 胞子体や無性芽をつけたエゾチョウチンゴケはこちらに載せています。
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