2021-09-18

ヨツバシオガマ・エゾシオガマ

 この夏に見た植物、今回はハマウツボ科シオガマギク属の2種です。

● ヨツバシオガマ Pedicularis japonica


 北海道から中部地方以北の高山帯にかけての水分の多い所に分布しています。 上は秋田駒ケ岳で 2021.7.8.に撮影した写真ですが、2021.7.16.に八方尾根でも確認しています。 花は2唇形で、上唇はオシベを包み込んで先は嘴状、下唇は3裂しています。 葉はふつう4枚が輪生しています。

● エゾシオガマ Pedicularis yezoensis


 上は 2021.7.16.に八方尾根で撮影しました。 本種も北海道から中部地方以北の高山帯にかけての分布で、草地に生育しています。 葉は三角状披針形で、縁は重鋸歯です。
 学名を見て分かるように同じ属なのですが、花のつくりは全く別の植物のように見えます。 しかし、よく見てみると・・・
 本種の花も上唇と下唇からなり、上唇は弧をえがいて、その先は嘴状になっています。 下唇は反り返っていますが、裂けてはいません。 つまり花のつくりはヨツバシオガマとよく似ているのですが、この花がねじれて、多くは90°以上ねじれていますので、上唇が下唇の下にきます。
 本種の2枚目の写真はねじれがゆるく、花はほぼ横を向いていますが、これに上唇の輪郭と名称を書き加えたのが下です。

 この花のつくりは、近畿地方でも見られるシオガマギクによく似ています。 なお、「シオガマ」の名前の由来もそこに書いています。

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