上は 2016.3.9.に京都市北山の菩提道で撮ったもので、当初はアオギヌゴケ科のキノクニツルハシゴケとしていました。 しかし、野口や平凡社の記載によく一致するキノクニツルハシゴケ
Eurhynchium squarrifolium と比較すると、茎葉の形や葉が彙状に付いていないことなどから、別種と思われます。
アオギヌゴケ科の同定は難しく、特に蒴が無いととても難しくなりますので、写真のコケの同定は、もう少しアオギヌゴケ科の理解が深まってから見直したいと思いますが(どなたか助言をいただければ嬉しいのですが・・・)、とりあえず観察結果を以下に載せておきます。
茎は這い、不規則に枝が出ています。
葉は丸くついていて、扁平にはなっていません。
上は葉の皺と中肋を区別するため、偏光顕微鏡を使用し、コンペンセータ(検板)に鋭敏色板(λ=530)を使用して撮ったものです。
中肋は葉長の2/3以上に達しています。
中肋背面の先端は1つの歯で終わっています。
翼細胞は明瞭な区画を作っていません。 葉縁はほぼ全周にわたって細かい歯があります。 葉身細胞は厚壁です。