2016-08-16

ムツデチョウチンゴケ


 上はムツデチョウチンゴケ Pseudobryum speciosum です。 亜高山帯の林床に育ちます。 上の写真は胞子体が3本出ています。 背後のヌケがいいので載せたのですが、多いものでは胞子体が6本ほども出ます。 和名の「ムツデ」の漢字は、「六出」としているところと「六手」としているところがあるのですが、いずれにしてもこの胞子体の多さに由来したものでしょう。


 上は葉の様子です。 周囲のコケに比較して、とても大きな葉です。 ムツデチョウチンゴケにはカシワバチョウチンゴケという別名がありますが、後者の名前はこの葉の様子に由来したものでしょう。


 上の写真のように大きな群落も作ります。


 具体的な大きさを示すためにスケールを入れて撮りました。 上の数値の単位は cm、下の写真の数値の単位は mm です。


 中肋は葉先に達しています。


 上は葉の基部付近を撮ったものです。 葉が大きくて相対的に細胞が小さく写り、はっきりしませんが、よく見ると舷があります。 縁にある長い刺状の単細胞の歯は基部まで密に並んでいます。 中肋は多くの短い枝を出しています。


 上は葉の中ほどです。 やはり中肋からは枝が出ています。 葉身細胞は長菱形で横に長く、中肋に対して斜めに配列しています。


 葉身細胞の細胞壁には、上の写真のように所々にくびれが見られます。 物質の移動など、細胞間の連絡のための構造でしょう。

(2016.7.21. 北八ヶ岳)
 ちなみに、このムツデチョウチンゴケは「もののけの森」を代表するコケにされています。

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