2020-06-03
ヤマトキヌタゴケ
上はヤマトキヌタゴケ Homomallium japonico-adnatum だと思います。 花崗岩上で育っていました。
茎は這い、枝は斜上しています。 上は乾いた状態で、葉はゆるく枝に接しています。
上は湿った状態です。 葉の長さは1mm前後です。
葉は中央が凹んでいます。
葉身部は卵形~狭卵形で、先はやや急に細くなり、ほぼ全縁です。 中肋は2叉しているのですが、上の写真では光の当たり方で片方が分かりづらくなっています。 翼細胞は小形で方形で、やや暗い区画をつくっています。
上の葉は翼部付近の葉縁が内曲していてはっきりしないので、別の葉で・・・
翼細胞は葉縁から中肋の方向へ5列(平凡社の図鑑では4~6列)、葉縁に沿って約20個(どこが境なのか、はっきりしません)が並んでいます。
上は葉先付近です。
上は葉身細胞です。 左中央やや下に中肋の端が見えています。
蒴柄の長さは、上の写真では約1cmで、もう少し長いものも多くありました。
帽は僧帽形、蒴は傾き非相称、蓋はほぼ円錐形、口環があり、蒴歯は2列で、外蒴歯16本、内蒴歯16本です。
上は、平らにするために縦断した蒴の、蒴歯の様子です。 乾燥のためにもろくなっていて、多くの蒴歯が折れてしまいました。 内蒴歯の歯突起の間には間毛があり、線形で長いのですが、そのほとんどが途中で折れてしまっています。
上は中央が口環で、下が蒴壁、上にある外蒴歯は奥にあるためピントが合っていません。
上は蒴柄基部の雌包葉です。 この1枚を顕微鏡で観察したのが下です。
雌包葉は全縁です。
(2020.5.29. 大阪府 能勢妙見山)