樹幹を這う写真のコケ、ナガハシゴケ
Sematophyllum subhumile のようです。
上の写真のほぼ中央の蒴は赤い蓋がまさに外れようとしていて、蒴歯が少し見えています。
葉の長さは1~1.5mm、上の写真の蒴柄は約6mmです(平凡社の図鑑では蒴柄の長さは3~10mmとなっています)。
以下、葉をもう少し詳しく観察します。 なお、蒴に関することは
こちらに書いています。
葉はほぼ全縁で、葉の上部にも目立った歯はありません。 中肋もありません。
翼部には楕円形で大きく薄壁の細胞が数個あります。 葉基部の細胞は黄色味を帯びています。 この特徴的な翼部の大きな細胞は・・・
上の2枚の葉は同じ群落の葉ですが、翼部の大きな細胞の配列には変異があり、1段のことも2~3段のこともあります。 2~3段の葉を持つものは西日本に多いようで、以前は別種とされていたこともありました(
こちら)。
上は葉の中央付近の葉身細胞です。
(2020.6.15. 兵庫県 六甲山)
◎ ナガハシゴケは
こちらにも載せています。