2020-09-20

オオチョウチンゴケ



 写真はオオチョウチンゴケ Plagiomnium medium だろうと思います。 直立茎からは胞子体が数本出ています。 同じ Plagiomnium(ツルチョウチンゴケ属)にはオオバチョウチンゴケがあり、和名は紛らわしいのですが、葉形も全体の大きも全く異なります
 本種は平凡社の図鑑には検索表にあるのみで、保育社の図鑑には名前すらありません。 Noguchi(1989)には国内では北方に分布するとなっています。


 葉は長楕円形で、葉先は尖り、葉縁には全周に歯があります。


 1cm近い長さの葉もあります。 上の写真では濡れていて分かりにくくなっていますが、茎には上まで仮根がびっしりついています。


 匍匐茎の先が立ち上がって直立茎となり、直立茎の基部から次の匍匐茎が出ているようです。


 乾くと葉は上の写真のように縮れます。


 上は葉先で、中肋は葉先から突出しています。


 舷は3~4層、歯は1~3細胞からなっていて、長さは 40μmを越えています。


 上の写真の右側の翼は上に折れ曲がっていますが、葉の基部は茎に下延します。 上の写真にもたくさんの仮根がついてきています。


 上は内雌苞葉です。

(2020.8.31. 北海道 苫小牧市)