写真のシノブゴケ、以下の観察結果からオオシノブゴケ
Thuidium tamariscinum のようです。 林縁の土上に育っていました。
トヤマシノブゴケなどより少し涼しい所を好むコケのようで、国内での分布は北海道~四国です。
地上を長く這う茎が立ち上がり、多くの枝を出します。
茎にも枝にもたくさんの毛葉があります。 茎葉と枝葉は、大きさはかなり異なりますが、トヤマシノブゴケほど極端な葉形の違いは無さそうです。
上は茎葉で、深い縦しわがあります。 たくさんの毛葉がついてきてしまいました。
上は茎葉の葉先近くです。 茎葉の先は鋭頭で、トヤマシノブゴケのような透明尖はありません。 中肋は葉先より下で終わっています。
上は茎葉の中央部付近の葉身細胞を斜めから撮った写真です。 細胞の中央に背の高い先の分かれない1個のパビラがあります。
上は枝葉です。 上の倍率でも、ほとんどの細胞の中央に1個のパピラがあるのが分かります。
上は枝葉の先端近くです。 枝葉の先端の細胞は鋭頭で平滑です。
上は毛葉です。 多くの毛葉は上のように1細胞列で枝分かれし、パピラがあります(細胞の陰になって見えないパピラもあります)が、稀には・・・
上の写真のような小葉状になった毛葉もあります。
(2020.8.30. 北海道 苫小牧市)