北海道・ウトナイ湖畔の自然観察路で撮ったゴマシジミ
Maculinea teleius です(撮影:2020.9.2.)。 幼虫は3齢まではナガボノシロワレモコウ、ワレモコウ、カライトソウなどの花穂を食べて育ち、4齢になるとクシケアリの巣に入り込み、アリの幼虫や蛹を食べて越冬し、7月中旬ごろに羽化するというおもしろい生活史を持っています。
3齢までの食べ物は、主に東北地方以北ではナガボノシロワレモコウ、それ以外の地域ではワレモコウで、飛騨山脈や白山ではカライトソウを食べているようです。 地域によって変異の大きなチョウですが、その理由の1つは、3齢までに何を食べて育つかではないかと考えられています。
また、アリは一般に攻撃性の強い昆虫ですが、ゴマシジミの幼虫はクシケアリと似たにおいを分泌するため、アリは仲間だと思い込むようです。 しかしにおいのある蛹の殻を脱ぎ捨てて羽化すると、とたんにアリの攻撃を受けることになり、巣から逃げるように飛び立つそうです。
上に書いたように、北海道では3齢まではナガボノシロワレモコウの花穂を食べて育つようです。 下は同じウトナイ湖の自然観察路で咲いていたナガボノシロワレモコウです。