2020-09-12

ハガワリイチョウゴケ



 上は昨日載せたヤマトホウキゴケの群落にほんのわずか混じっていたコケで、これもM氏のお助けをいただき、ハガワリイチョウゴケ Mesoptychia morrisoncola だろうということになりました。 茎の幅は葉を含めて1mm前後です。 葉はやや樋状になっています。
 平凡社の図鑑によると、ブナ帯以上の石灰岩上に生育するコケのようですが、採集場所には石灰岩は無いと思われ、少なかったのは十分な生育環境では無かったためかもしれません。


 葉は斜めにつき接在しています。


 上は葉で、葉先は2裂し、裂片は三角形です。


 上は茎を横から見ていて、下に1層の細胞列に見えているのが腹葉だと思います。 腹葉は細長くて小さく、顕微鏡下で正面から観察しようとしても、厚く色の濃い茎のせいで識別できませんでした。 また実体顕微鏡で観察するには小さすぎるようです。


 上は葉身細胞で、大きなトリゴンがあります。 油体は各細胞に4~7個あり、楕円体です。


 上は腹面から出ている仮根です。 背景に色がついているために少し判り難いのですが、仮根は無色でした。

(2020.9.1. 北海道 千歳市 標高 700m)