2021-10-14

オオサンショウモ

 下はサービスが終了したホームページに載せていた記事を少し書き直したものです。

 水草を取り扱っている店でよく売られているオオサンショウモ Salvinia molesta は、世界の熱帯に分布していて、日本でも夏は増えすぎて困るほどです。 日本では野外で冬を越すことは稀なようですが、温暖化の影響が心配されていて、外来生物法で要注意外来種に指定されています。
 本種は日本に自生しているサンショウモと同じSalvinia属のシダで、基本的な体のつくりは、サンショウモと同じです。 植物体が小さいうちはサンショウモそっくりですが、成長してくるにつれて、葉はサンショウモよりずっと大型になり、中肋で二つ折れになり、立ってきます(上の写真)。

 上の左側は、オオサンショウモを水から出して撮った写真ですが、胞子のう群を包膜で包んだ胞子のう果は、サンショウモと違って、長く房状についています。
 上の右側は、この胞子のう果を拡大したものです。 写真ではちゃんとできているように見えるのですが、この中には生殖能力のある胞子は作られていないようです。 オオサンショウモは、専ら株別れによる無性生殖で増えているようです。

 葉の表面には白い毛がびっしりと生えています(上の左の写真)。 この毛の存在によって、みごとに水をはじきます。 上の右は、葉の表面を実体双眼顕微鏡で拡大して撮った写真です。 光を当てていますので、少し黄色っぽく見えていますが、自然の繊細な造形美に見とれてしまいます。

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