2021-10-24

イチョウゴケ


 上の2枚は、大きな丸い葉は昨日載せたチャケビラゴケですが、そこに混生している小さな細い葉のコケがイチョウゴケ Tritomaria exsecta です。 なお、イチョウウキゴケにもイチョウゴケという別名がありますので注意が必要です。

 葉の長さは、上の写真では約 0.5mmですが、あまりよく育っていないようで、平凡社では 0.8~1.1mmとなっています。

 上は水に浸して葉を広げ、背面から撮っています。 葉はほぼ横につき、斜めに開出して強く背側に偏向しています。 写真上方の枝先が少し赤くなっていますが、これは後で書きますが、無性芽の色です。
 下は上の一部を拡大しています。

 葉は不等に3裂し、各裂片は鋭頭で、腹側の裂片が著しく大きくなっています。

 上は腹面から撮っています。 腹葉はありません。

 タイ類の分類も、さまざまな手法による研究が進むにつれて、大きく変化しています。 本種も2001年発行の平凡社の図鑑ではツボミゴケ科になっていますが、2017年に発行された湯澤先生の「福島県苔類誌」ではヒシャクゴケ科になっており、片桐らの「日本産タイ類・ツノゴケ類チェックリスト,2018」ではタカネイチョウゴケ科になっています。

 上は枝先付近で、葉の先端には無性芽が作られています。 下は上の一部の拡大です。

 顕微鏡写真では実際の色が分かりにくいのですが、無性芽が赤っぽい色であるのが分かると思います。 本種の無性芽は1~2細胞からなり、赤い色をしています。

 上は葉で、背縁が写真の下に、腹縁が写真の上にきています。

 葉身細胞はトリゴンが小さく、厚壁です(上の写真)。

(2021.10.7. 北八ヶ岳)

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