2015-07-22

ヤマトフタマタゴケ


 上は樹幹で混生しているコケを撮ったもので、葉状体のものがヤマトフタマタゴケ( Metzgeria lindbergii )です。 右上端はマメヅタですが、感覚的に大きさが分かるように入れてみました。


 上は岩上で育つヤマトフタマタゴケです。 「二又苔」の名前のように、二又状に枝分かれしています。


 上はヤマトフタマタゴケの腹面を撮ったもので、白い毛が散生しています。 ヤマトフタマタゴケは雌雄同株のフタマタゴケ科の苔類で、この時期は腹面に生殖器官が見られます。 上の写真に見られる丸いものは、雄器を包み込む包膜だと思われます。 生殖器官は中肋から枝分かれした枝の背面に付き、この枝分かれした枝が包膜となるようです。


上の写真の中央の2つはカリプトラ、つまり造卵器に由来する若い胞子体を保護する袋状の構造で、蘚類の帽に相当するものだと思います。 カリプトラの表面には、単細胞性の毛が見られます。 近くにはこれから大きくなるであろう小さなカリプトラも見られます。

(2015.7.15. 高槻市摂津峡)

こちらではヤマトフタマタゴケの生殖器官を中心に載せています。