2015-07-28

カマサワゴケ


 上の写真の右側は休耕田の畦の側面に生えているカマサワゴケ( Philonotis falcata )です。 画面の左にはイチョウウキゴケやウキクサが土にはりついています。 土の黒っぽい所までは湿っていて、よく水が来るのでしょう。


 上は用水路の壁面に育つカマサワゴケです。 群落の下部は水に接していますが、濡れている様子はありません。


 上はカマサワゴケを水に載せたところです。 所々に気泡が見えますが、水をはじいているようです。


 もう少し拡大すると、葉の表面がザラザラしていて(上の写真)、これが水をはじく原因となっているように思います。 なお、和名の「カマ」は、上の写真のように中肋が鎌状にカーブしていることからのようです。

 上のザラザラをもう少し詳しく見るために、顕微鏡観察を行いました。



 上の2枚の写真は、葉を背面(茎に面していない側)から見たものです。 細長い矩形の細胞の先端部分にパピラ(乳頭)があります。
 顕微鏡のピントを調節するねじを回していくと、ピントの合う所が上下に移動していきます。 これを見ていると、上下関係が分かります。 そのようにして葉の背面からも腹面からも観察した結果は、パピラは葉の背面に見られ、腹面にはありませんでした。

(2015.7.15. 高槻市)

こちらには無性芽をつけたカマサワゴケを、こちらには胞子体をつけたカマサワゴケを載せています。