岩上のマメヅタの群落の隙間に見え隠れするマット状のコケ、近づくと・・・
2裂した葉が見えます。 葉は偏向してつき、少し腹側に巻き気味です。
乾くと葉先は腹側に巻き込み、茎の背面は溝状になっています(上の写真)。 このコケの正体は・・・
顕微鏡で観察すると、葉の周辺に無性芽がついていて、ヒメトサカゴケ
Chiloscyphus minor であることが、はっきりします。
本種の葉形も変異が大きく、一般的には先が浅く2裂した矩形と言われていますが、 極端な場合には先が中ほどまで2裂した円形に近い葉まで現れます。 また、たくさんの無性芽がついている場合はルーペでも分かりますが、上のように無性芽が少ない場合には顕微鏡でないと確認できません。
上は腹葉と、その基部から束になって出ている仮根です。 腹葉も側縁に大きな刺歯があったり目立たなかったりするなど、変化が大きいようです。 このことは、これまで載せているヒメトサカゴケ(
こちらや
こちら)を見比べても理解していただけるでしょう。
(2020.7.8. 大阪府 箕面公園)