写真は斜面に育っていたハミズゴケ
Pogonatum spinulosum です。 目立つのは胞子体ばかりで・・・
胞子体の基部を見ても、蒴柄にくっついている葉が少し見られるだけで、まさに「葉見ずゴケ」です。
周囲は緑色をしたマット状のものに覆われています。 これを少し取って顕鏡観察すると、下のようなものが見られました。
蘚類では、飛散した胞子が地上で発芽すると、糸状の原糸体として光合成を行い、枝分かれしながら育っていきます。 多くの蘚類では、原糸体がある程度育つと、そのあちこちに小さな膨らみができ、その膨らみが育って私たちが普段見ているコケ(配偶体)になっていくと同時に、原糸体は消えていきます。 ところがハミズゴケでは、この原糸体がいつまでも残り、地表一面に広がります。
このように変わった生活をしているハミズゴケですが・・・
ハミズゴケはコスギゴケと同属です。 上はハミズゴケの蒴です。 帽に生えているたくさんの毛で蒴がすっぽり覆われている様子は、
コスギゴケの場合と同じです。
(2015.11.11. 六甲山・山田道)
◎ ハミズゴケの2月と6月の様子は
こちらに載せています。