2015-11-25

コモチイトゴケ

 「イトゴケ」の名は「糸のようなコケ」という意味ですが「○○イトゴケ」という名の細くて長いコケは、ハイヒモゴケ科のイトゴケ、シノブゴケ科のコバノイトゴケなど、いろいろな科で見られます。 その中でナガハシゴケ科のコモチイトゴケは大気汚染にも強く、都市部を含め、広く分布するコケです。 ただ、「子持ち」つまり無性芽を付けているのが特徴ですが、この無性芽もルーペでもなかなか見ることができない大きさで、「動物の毛並みのような群落」と言われていても、どれがそうなのか、なかなか難しいでしょうね。
 そんなわけで、胞子体をつけているコモチイトゴケを探していたのですが、やっとまばらに胞子体をつけたコモチイトゴケに出会えました。


 上の写真のコモチイトゴケ( Pylaisiadelpha tenuirostris )はクスノキの幹についているものですが、葉の1枚1枚が分かる大きさにまで拡大すると、緑の“動物の毛”という印象は無くなってしまいますね・・・。


 実際の大きさを実感していただくために、100円硬貨の上に置いてみました。 葉は小さいですが、葉に比較して大きな胞子体です。 胞子体は側生です。


 上の写真の左は帽のついた蒴、右は帽の取れた蒴です。 蒴の蓋には(=それを覆う帽には)長い嘴があります。


 水を与えると葉は広がります。 葉は茎に放射状についています。 無性芽は葉腋につくのですが、上の写真には無性芽は見られません。


 葉は卵状披針形でほぼ全縁、先端は鋭く尖っています。 上の写真で、中肋は非常に短いものがあるようにも無いようにも見えますが、コモチイトゴケの葉の多くはこのような状態のようです。


 上は葉の翼部を拡大したものです。 翼部は数個の方形の細胞からなっています。 このような翼部や中肋の様子を見ると、たしかにナガハシゴケ科の葉ですね。


 上が無性芽です。 コモチイトゴケの無性芽は褐色の細胞が一列に連なっています。


 上の写真の無性芽は、プレパラート作成時に葉腋から離れてしまったもののようです。

(2015.11.23. 京都府立植物園)



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